柳原陽一郎氏 〜骨まで濡らしてほまほまほ〜

また「たま」関連のはなしなのです。わたしははまるとそればっかりしか考えられなくなってしまう許容量の狭い脳みそをもっているのです。みいちゃんはあちゃんともいいます。実にわかりやすいのです。ごめーんねっ。
どうも「たま」の初期のCD(彼らがインディーズレーベル「地球レコード」をたちあげる前の)は、何処を回っても新品が売ってなくって、「さんだる」は中古書店さん*1で入手し、「ひるね」「きゃべつ」「犬の約束」はわたくしの住む市立図書館でお借りし、「ろけっと」はItunesMusicstoreで購入し、と音源を採集したのです。やるじゃんItunesって気分ですが、でもやっぱりCDでほしかった。。歌詞もないし、なんかありがたみがないじゃない…。
以降のもの(ライブインニューヨーク、東京フルーツ、いなくていい人、しょぼたま1・2、解散ライブDVD)はタワーレコードニヒル牛さんなどでちょこちょこと手に入れたのです。いやぁ丸々二か月にずいぶんと散財をしたものです、ウヒョヒョ。
でね。
「たま」の歌は、それぞれ個性的な四人のメンバーがおのおの作詞作曲してメインボーカルをとって、らしいので、おなじ「たまの歌」でも人によって全然雰囲気がちがっていて面白いのです。「たま」というユニットでくくられると、才気煥発なそれぞれの個性はふわりとやわらかく、「たま」というわけのわからない概念に調和してしまう。バンドって素敵。
わたしはどの方の曲もそれぞれものすごくすきなのですが、のちに「たま」を脱退する柳原幼一郎(陽一郎)氏の歌のふわふわした軽やかさが実に好きです。カワイイ酔っぱらいのよう。
定番な「さよなら人類」のすきとおった終末観とか、「僕はヘリコプター」の意味不明な陽気さとか、「満月小唄」のむねをつくようなせつなさとか、「どんぶらこ」のグロテスクさとか、中でも最近好きなのは「あの娘は雨女」のたのしげなる優しさ。
柳原氏の声は耳にやさしく伸びやかです。なんだか、名状しがたく哀しい気分のときや、毛羽立つようなささくれたこころもちの時に彼の人の歌声をきくと、「あー、……まあいいやぁ」っていう気分になる。それこそ「あの娘は雨女」の詞にあるような、

でくのぼうと呼ばれてねんどのように固まってたら
いつの間にかあの娘が雨を降らせてる
ミミズのように縮んで鳥のように開いて
いつの間にか世界は湿気を取り戻す

みたいに、乾いた焦燥がしっとりとこころにおちついていくのです。やさしいなあ。*2ソロライブにも今度行ってみたいのです。

ああ、でもこれを書いているうちにBGMで回ってきた滝本晃司さんの「ハル」の素敵かげんにも胸がいたくなってしまいました。
みんなすてきだわ。こりゃたまらんわ。

*1:しかも本のオマケ!

*2:とかいってこの歌、物凄いえろっちい意味の歌詞かも知れんね。笑