東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

お前のことぐちゃぐちゃにしてお母さんの上にかけてやるぞ!というクロいねたが頭を渦巻いている中で読了してちと複雑な気分になりましたがしかし、良い本ですねえ。。ブームになったらちょっとばかりもったいないな、くらいの。*1
リリー・フランキー氏のお仕事は「おでんくん」と「ココリコミラクルタイプ」の出演のほかはよく知りませんでしたが、あのエロちくおしゃれな感じの男性がこうした本をなするとは思いもよりませんでした。
大事な人を大事だと語る姿勢を、世間が気持ち悪いとかマザコンだとかいう風潮に、そしてそれで言葉にしづらくなってしまう自分自身へ、彼は憤るのです。わたしはその姿勢にちょっと感動して、電車の中だっつうのにぐだぐだ涙しそうで参るのです。
好きなら好きなほど、身内なら身内なほどに「好き」って言葉は難しくなるんですねえ。欧米の方々が自分の家族にことあるごとにラブラブいうのは、日本人と家族のあり方が異なるからでもあるから、らしいが*2。調和>個人が大前提で、好意や愛情なんてのはある程度あって当然みたいな土壌では、なるほど「わるくち」みたいなのは目立つし目新しいし*3、だからそういうのがバラエティやなんやに、普通に浸透するのも無理はないかと思うけれども。でもねえ。

好きなものを好きといえないのは、つらい。
限度や期限があるわけでもないのにそれを封じられることは、実際悲しむべきことだ。

*1:まあブームになったから知って手に取ったわけだけれども。。

*2:個人主義だから、分かりやすく好きと示さなきゃゼロと同じなんだとかなんとか

*3:茂木さんと佐藤さんのお話 より